そこに気づくのが日本人のおもてなし力

海外で生活していると、こんな些細な点が気になりませんか？

たとえば、このバスルームの写真。清掃スタッフがきれいに掃除してくれた後の状態ですが、日本人の感覚からすると、「もう少し手を加えたいな…」と思う部分がいくつかあります。

日本人が大切にする“揃える美学”

私たちが考える「掃除が行き届いている景観」とは、ただ清潔であるだけでなく、視覚的な心地よさを生み出すこと。具体的には：

「BODY SOAP」や「SHAMPOO」の文字が見やすいように正面を向けるだけで、利用者のストレスがぐっと減ります。

ボトルの間隔を均等にし、同じラインに並べると空間に一体感が生まれます。これだけで、プロフェッショナルな仕上がりに見えるのです。

明らかに「BODY SOAP」だけ量が少ない状態。補充が済んでいれば、利用者が気にせず使えるのに…。
※写真では補充前の状態

ボトルの口があちこちを向いていると雑然とした印象になりますが、同じ方向に揃えると清潔感が増します。

このような配慮は、実は特別な技術ではありません。「もし自分がこのバスルームを使う立場だったら、どちらが気持ちよいか？」と想像するだけで誰でも実践可能です。

もしこの感覚をさらに磨きたいと思ったら、少しお金を出して一流ホテルに宿泊してみるのもおすすめです。そこには、「心地よさ」を徹底的に追求したプロフェッショナルたちのセンスが詰まっています。

日本の「おもてなし精神」がどれほど細やかで、人を思いやる心で成り立っているかを再確認することができるでしょう。

次回、清掃後のバスルームを見るとき、この「揃える美学」をぜひ意識してみてください。それだけで世界が少し違って見えるはずです。